パソコンやデジタルサイネージ等のディスプレイに欠かせない液晶(LCD)とLEDビジョン。似ているようで全然違う2つを簡単に解説します。
LEDビジョンと液晶ディスプレイのデジタルサイネージは、どちらも街中や駅、商業施設などでよく目にする情報表示を目的とし設置されています。LEDビジョンとデジタルサイネージはその仕組みや使い方に大きな違いがありますが「どちらも同じように映像を映すものでは?」と感じている方も多いのではないでしょうか?
この記事では、液晶ディスプレイとLEDビジョンの違いや特徴、メリット・デメリットを比較し、どのような場面でどちらが適しているかをご紹介します。デジタルサイネージやディスプレイ選びで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
液晶(LCD)ディスプレイとLEDビジョンの違いとは?
液晶(LCD)とLEDビジョンの最大の違いは発光原理です。それぞれどのように映像を表示しているのか、見ていきましょう。
〈液晶LCDディスプレイの仕組み〉
液晶(LCD)は、バックライトからの光を、ガラスに挟まれた偏光フィルターやカラーフィルターを通して液晶を通過し表示する仕組みです。液晶パネル自体は光を発しないため、光源としてバックライトが必要です。液晶パネルは、バックライトからの光を調整し、色や明るさを変化させて映像を作ります。液晶にはRGBフィルターがあり、これを通して色を表現します。
〈LEDビジョンの仕組み〉
LED(Light Emitting Diode)は名前の通り、小さな発光ダイオード(LED)自体が個別に光る仕組みです。これらのLEDが赤、緑、青(RGB)の3つの色を組み合わせ、映像を構成します。1つ1つのLEDが「ピクセル」となり、画面全体が発光することで映像が表示されます。また、シンプルな構造で、LEDの数を調整すれば自由に画面を作ることが可能です。
液晶のメリット・デメリット
次に、液晶ディスプレイの特徴を、メリットとデメリットに分けて解説します。
〈液晶のメリット〉
①低価格で導入しやすい
規格化されたパネルを生産するため、比較的コストが安く抑えられ低価格で導入ができます。
②寿命が長い
長期間の使用が可能で、コストパフォーマンスが高いのもポイントです。
③解像度が高い
テレビやスマートフォンのように、フルHDや4Kの解像度できめ細かい映像を表示することができます。
〈液晶のデメリット〉
①視認距離が短い
ディスプレイサイズにもよりますが、解像度が高いため約1.5m~3.5mの距離で見ることを想定されています。
②黒色の表現が苦手
バックライトの光を遮ることで黒を表現しますが、バックライトを完全に消す事ができないため、深い黒の表現は難しくなります。
LEDビジョンのメリット・デメリット
次にLEDビジョンの特徴を解説します。
〈LEDのメリット〉
①輝度が高い
素子自体が発光するため、輝度が高く、直射日光や照明が当たる場所でも映像が鮮明に見えます。
②自由なサイズと形状
小型のモジュールを組み合わせることで、様々なサイズのLEDビジョンを構築することが可能です。柱や湾曲した壁にも設置ができます。

〈LEDのデメリット〉
①初期費用が高額
構造上、高解像度を実現するにはLEDの数を増やす必要があり、コストが割高になります。また、基本的に施工が必要となります。
②消費電力が多い
高輝度の映像を表示するため、液晶ディスプレイに比べて多くの電力を消費します。
どちらを選ぶべき?ケース別に解説
液晶ディスプレイとLEDビジョンはそれぞれメリットとデメリットがあるので、使用環境や目的、用途に合わせて選びましょう。
〈液晶ディスプレイが向いているのはこんなケース〉
・初期費用を抑えたい
・屋内中心で使用する
・高解像度で視認距離が近い
〈LEDビジョンが向いているのはこんなケース〉
・屋外や明るい場所で使用したい
・複雑な形状や大画面が必要
・視認距離が遠い
まとめ
液晶ディスプレイとLEDビジョンには、それぞれの特性や適した使い方があります。
「屋内で視認距離が近いなら液晶ディスプレイ」、「屋外や明るい場所での使用が多いならLEDビジョン」など、設置場所のニーズに合ったディスプレイを選ぶことが大切です。
これからディスプレイを選ぶ際の参考になれば幸いです。